リンパドレナージュの現状

ひと口にリンパドレナージュと言っても、現在、「医療」と「美容」という、似て非なる分野の両方で使われる呼称となっています。医療用としては、リンパドレナージュが誕生し、治療方法として確立されたヨーロッパと同じように、日本でも、がんを手術した患者さんのリンパ浮腫の緩和ケアとして用いられています。

 

医療用リンパドレナージュの資格では、「医療リンパドレナージセラピスト」「リンパ浮腫療法士」があり、はっきりと“医療用”“リンパ浮腫”と銘打っているのが特徴で、養成講座も、医療系の専門学校となっています。

 

一方、リンパドレナージュは、美容としては、デトックス作用と血行促進などから、エステサロンの人気メニューの1つとして定着しています。

 

認定資格では、「リンパケアセラピスト」「リンパケアスペシャリスト」などがありますが、医療系リンパドレナージュの仕事を行うことはできません。

 

内容は明確に違えど、医療系・美容系、どちらのリンパドレナージュにも共通することは、民間資格で、国家資格ではないことです。マッサージ系の国家資格では、厚生労働省によって定められた「あんま、マッサージ業や、鍼灸(しんきゅう)業があります。

 

現在、特にエステなどで行われているリンパドレナージュは、これらのあんま・マッサージ・指圧師などの団体によって、「法に抵触する」との批判にさらされています。

 

根拠は、エステサロンが“マッサージ”の言葉を使用している点で、「国家資格を持たないものが、業(利益を求めること、商売)として不特定多数の人にマッサージを行っている」というものです。

 

しかし、この現代に、普通の女性が、冷え性の改善やリラクセーションを求めて、あんま・マッサージ・指圧師の施術を受けることは、まれかもしれません。

 

現状では、エステで行われているリンパドレナージュは、法に準拠するわけでなく、中途半端な位置に置かれたままの状態となっており、法的位置付けの整備が望まれています。